2017年11月16日

四ツ谷十三式新世界遭難実験 有馬慎太郎



月など他天体に一瞬で行ける超光速航行装置が存在する近未来。
その装置の開発者でありマッドな科学者に嵌められて
未知の惑星に遭難した博士の弟をはじめとした一行のSFサバイバル漂流記。
まあ件の博士も自分だけ逃げておくつもりが一緒に遭難してるんだが。
物語の主人公・・なのだろうが、物語においてはやっかいな悪役といってもいいよね。
飄々とした悪戯好き、笑顔で迷惑行為をためらいなくやるタイプ。
共にサバイバルを行う・・という形に見せて実は
愉快犯と被害者の命がけのだましあいというか駆け引きな展開もあったり。
つかみ所がないエキセントリックな博士を排除したいが
博士の知識は必要、みたいなジレンマが面白い。
奇妙というかアクのある人間相関とSFなサバイバル展開は見応えがある。
富樫作品が好きならこの話も面白いと思う。

有馬慎太郎
ブレイドコミックス1〜 / マッグガーデン
ジャンル:少年・SF・アクション / 好み度:★★★☆☆
posted by 日暮 at 19:59| Comment(0) | 漫画感想

2017年11月14日

あしあと探偵 園田ゆり



家出や駆け落ち・事故や犯罪など様々な事情で失跡した人間をさがす「人捜し」専門の探偵業を描いた物語。
勤めていた会社が倒産し職探しの中、人捜し専門の探偵会社に面接にきた青年。
試用期間として、先輩のメガネの探偵の助手として彼の仕事についていくことになる、というはじまり。
表紙にあるメガネの探偵は腕は確かだが変人のメガネ探偵と、まっすぐで素直な新米探偵のコンビに加え、
探偵会社に所属する面々も個性的でキャラがたっているように思う。
浮気調査でもなく派手なアクションがあるでない人捜しが主題なので、探偵が探し当てる対象人や依頼人の人間ドラマが展開される。
人捜しミステリはけっこう見応えがあり、人間ドラマの流れと構成は秀逸。淡泊なメガネ探偵と依頼人や助手の熱さの対比とか、新米助手の視点で物語を動かしているのも巧い具合だと思う。
熱さと淡々とした雰囲気の配分も読みやすい。

園田ゆり
アフタヌーンKC1〜 / 講談社
ジャンル:青年・ミステリ・ドラマ /好み度:★★★★☆
posted by 日暮 at 21:56| Comment(0) | 漫画感想

2017年11月13日

芋虫少女とコミュ障男子 三三



自分に自信がなく矮小な人間という自覚を持つ男子は、
美人で頭が良く非の打ち所のない幼馴染みの女子に告白され、無理だと答える。
その後女子は行方不明になり、男子の前に現れた時には人ではないものになっていた。
辛いというかせつないというか、なんでこうなった、と言いたくなる展開に心がきゅっと
なる内容だった。
男子は様々な要因で卑屈になっていて、女子の告白を拒否したのは彼女に興味がないからでも
嫌いだからでもなく、自分が惨めになるからという理由。
一方、女子はそんな男子をずっと見てきて自分だけは変わらず男子を好きでいようと決めて
いたが告白して玉砕、自分が優秀な者でなくなったら男子は自分に向いてくれるのかと
ひとでないものになった。
このふたりに女子の願いを叶えた、人にも化けられる人外の女子が加わる。
愚直というか身も蓋もないというか割れ鍋に綴じ蓋というか方向性が刹那的というか。
それゆえに妙ないとおしさも感じるわけで。
わかりやすいハッピーエンドではないがこの物語にふさわしいラストだと思う。

MFCジーンピクシブ全1巻 / メディアファクトリー
ジャンル:少女・オカルト・ドラマ / 好み度:★★★★☆
posted by 日暮 at 21:09| Comment(0) | 漫画感想

2017年11月12日

うらみちお兄さん 久世岳



幼児参加型の教育番組の
いわゆる「体操のお兄さん」を勤める青年と
出演する子供達の会話劇を中心とした
ちょっとブラックが入ったシュールコメディ。
番組のお約束のテンションで幼児と会話するものの
たまにお兄さんの心の闇がぽろっとはみ出るところが肝。
子供達のよくある質問に、歯に衣着せない直球な返答をしたり
闇を抱えた素顔をだしてみたり。
仕事や人間関係やらの大人のホンネを出してしまう
情緒不安定なお兄さんの側面に幼児たちはどん引きしたり
意味はよくわかっていないけど察したり。
子供に悪影響が、となんでもオブラートに包んでしまう現代に
おいてのアンチテーゼ・・は大げさか。
前知識なしで買ったけどなんか賞をとった作品らしく人気作みたい。
支持されるのはお兄さんの発言は共感してしまう
読み手が多いんだろうか。私もその一人だけど。
夜中の実写ドラマなどの原作にあうかもしれない。

久世岳/一迅社1〜
ジャンル:コメディ / 好み度:★★★☆☆
posted by 日暮 at 17:22| Comment(0) | 漫画感想

2017年11月10日

萌恵ちゃんは気にしない 喬文



主人公の女子高生・萌恵ちゃんは題名通りあまり物事を気にしない。
普通なら多少なりとも喜怒哀楽が出る出来事にも、普通なら様々な感情が突き抜ける異常な状況でも。
というワンアイディアコメディ。
ごく普通の学園コメディ舞台だけど、唐突に地球外生命体に誘拐されそうになったり
ヒロインの友人はヒロインのツッコミ役と見せかけて実は魔法少女だったりと
次々と繰り出す非日常である意味コミカルな展開が続き、ヒロインの決め台詞で締める構成。
出オチっぽいかなと思ったが脇役(というかある意味主役でもあるのか)たちの動かし方が巧くて
面白かった。
変な出来事に遭遇しても動じない・表情が変わらないヒロインだが、
突風でアフロになったりする当人も中々に奇っ怪な存在かもしれない。
絵はうまく読みやすい。個人的に吸血鬼娘が好きです。

喬文
MFC1〜 / メディアファクトリー
ジャンル:少年・コメディ / 好み度:★★★☆☆
posted by 日暮 at 18:03| Comment(0) | 漫画感想